教室開業と税金の関係を知っておこう
ピアノ教室や書道教室、英会話教室などを開業すると、ほとんどの場合「個人事業主」として扱われます。会社員のように自動で税金が引かれるわけではなく、自分で所得を計算して納税する仕組みになります。
まずは「開業届」を税務署に提出することから始めましょう。これは「私はこの日に事業を始めました」と申告する届出で、正式に事業主として登録される大切な手続きです。
届出を出さなくても教室を運営することは可能ですが、青色申告の特典や控除を受けるためには必ず提出しておくのが安心です。
教室運営で関わる主な税金
教室を運営すると、次のような税金が関わってきます。
- 所得税：売上から経費を引いた利益に応じてかかる税金
- 消費税：年間の売上が基準額を超えた場合に発生する税金
- 住民税：前年の所得に応じて自治体に納める税金
特に注意したいのが「消費税」です。以前までは年間売上が1,000万円を超えると課税事業者になるというルールが一般的でした。教室のような個人事業では、多くの方が1,000万円以下で「免税事業者」として扱われるケースが多かったのですが、2023年10月から始まった「インボイス制度」により状況が変わりつつあります。
インボイス制度（適格請求書等保存方式）で何が変わる？
インボイス制度とは、取引の際に「正しい消費税の金額が記載された請求書（＝インボイス）」を発行・保存する仕組みのことです。これにより、事業者間の取引で消費税をやり取りする際の透明性を高める目的があります。
ただし、一般の生徒さんを相手にしている教室の場合、すぐに大きな影響があるわけではありません。たとえば次のように考えると分かりやすいです。
- 相手が個人の生徒の場合：インボイスを発行する義務はありません。
- 相手が法人や企業研修など、事業者の場合：インボイス発行事業者の登録が求められる場合があります。
つまり、企業や団体との取引がある場合は「インボイスを発行できるように登録しておく」ことを検討した方がよいということです。登録すると課税事業者として消費税の納税義務が生じるため、実際の取引先や今後の方針を考えて判断するのがポイントです。
経費として計上できるものと注意点
「どこまで経費にしていいの？」という疑問を持つ方も多いでしょう。教室運営で一般的に経費として扱えるのは次のような支出です。
- 教室スペースの家賃（自宅の一部を使う場合は面積で按分）
- 教材・文具・プリント代
- チラシ印刷費やホームページ運営費
- 交通費（出張レッスンや打ち合わせなど）
- 通信費（インターネットや電話など）
インボイス制度では、事業者同士の取引で仕入税額控除を受けるためには「適格請求書」が必要です。たとえ小さな取引でも、請求書や領収書はきちんと保存しておきましょう。将来、課税事業者になった際にスムーズに対応できます。
確定申告の基本を押さえよう
毎年2月中旬から3月中旬に行う「確定申告」では、1年間の売上と経費をまとめて税金を計算します。
申告方法には「白色申告」と「青色申告」がありますが、長く教室を運営する予定があるなら青色申告をおすすめします。
青色申告では帳簿づけの手間は増えますが、最大65万円の特別控除が受けられるなど大きなメリットがあります。最近では会計アプリを使えばスマートフォンから簡単に記録できるため、負担もかなり軽くなっています。
税金を意識したお金の管理を
税金対策で大切なのは「見える化」です。売上と支出をこまめに記録しておくことで、翌年の税金や設備投資の見通しも立てやすくなります。
特に初年度は「思ったより税金が多かった…」という声も少なくありません。毎月の売上の10〜20％を別口座に取り分けておくと安心です。
OK!iKOを活用して、集客と運営を効率化
税金の準備と同時に、生徒募集の仕組みも整えていきましょう。
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最初は制度や数字に戸惑うこともあるかもしれません。でも、一つずつ理解して整えていけば、教室運営はどんどん安定していきます。焦らず、コツコツ進めていきましょう。
