「ホームページを作りたいけれど、どこから手をつければいいのか分からない」
「業者に頼むと数十万円…。自分で作りたいけれど、安っぽくなるのは嫌だ」
教室の運営相談を受けていると、書道の先生方から特によく聞くお悩みです。日々、墨の香りや筆の感触といったアナログな美を追求されている先生にとって、デジタルの、しかも専門用語が飛び交うWebサイト制作は、とても高いハードルに感じられるかもしれません。
しかし、今はもう「近所の口コミ」だけで生徒が集まる時代ではなくなってしまいました。保護者はスマホで検索し、教室のホームページを見て、「ここならうちの子に合いそうか」を瞬時に判断します。
ここで重要なのは、凝ったプログラミング技術ではありません。書道教室ならではの「凛とした空気感」を、いかにテンプレート(ひな形)を使って表現するかです。
今回は、Web制作の専門知識がない先生でも失敗しない、書道教室に適したホームページの構成案と、集客につなげるための大切な視点をお話しします。
書道教室のテンプレート選びは「余白」と「色使い」が鍵
一般的な企業のホームページと、書道教室のホームページ。決定的に違うのは、求められる「美意識」です。
世の中にある無料のホームページ作成ツールには、数千種類のテンプレートがあります。しかし、その多くは情報を詰め込むことを前提としたデザインです。何も考えずに選んでしまうと、先生の美しい作品写真を載せても、なんだか窮屈で騒がしい印象になってしまいがちです。
書道教室のテンプレートを選ぶときは、以下の2点を意識してみてください。
1. 「余白(ホワイトスペース)」が確保されているか
半紙に向かうとき、文字の配置と同じくらい「余白」を大切にしますよね。「間(ま)」の美学です。
Webサイトも全く同じです。情報を詰め込みすぎてごちゃごちゃしたテンプレートよりも、白地が多く、すっきりとしたデザインを選びましょう。
余白があることで、先生が書かれた「教室名」のロゴ画像や、生徒さんの作品写真が際立ち、凛とした信頼感が生まれます。「情報が少ないかな?」と不安になるくらいシンプルな方が、今のスマホ時代には読みやすく、洗練されて見えます。
2. 墨色が映える「配色」か
書道は「白と黒」の世界です。Webサイトのデザインで派手な原色(鮮やかな赤や青など)が多用されているテンプレートを選んでしまうと、作品の良さが死んでしまいます。
基本は「白ベース」。アクセントカラーとして使うなら、落ち着いた「和の色」を選べるテンプレートが良いでしょう。
たとえば、抹茶のような深い緑、藍染のような紺、印泥(いんでい)のような落ち着いた朱色などです。これらの色が少し入るだけで、特殊なデザイン機能を使わなくても、十分に「和」の雰囲気を演出できます。
保護者が「体験に行きたい」と思うコンテンツの作り方
良いテンプレートを選んでも、中身(文章や写真)が空っぽでは生徒さんは集まりません。では、テンプレートの各パーツには、具体的に何を埋め込めばよいのでしょうか。
「素晴らしい作品を見せれば生徒は来るはず」と思っていませんか? 実は、保護者が見ているポイントは少し違います。
実際に問い合わせが増えた書道教室のサイトには、共通して以下の3つの「安心材料」が入っています。
① 先生の「人柄」が伝わる写真と文章
保護者が一番不安に思っていること。それは「厳しい先生だったらどうしよう」「うちの子が怒られて書道を嫌いになったらどうしよう」という点です。
作品の画像ももちろん素晴らしいですが、それ以上に効果的なのが、先生が優しく指導している様子の写真や、笑顔のプロフィール写真です。
「字を教えるだけでなく、挨拶や礼儀も大切にします」「まずは書く楽しさを知ってほしい」といった、先生の指導方針や想いを、ご自身の言葉で綴ってください。その「人間味」こそが、数ある教室の中から選ばれる決め手になります。
② 「正座」か「椅子」かを明記する
これ、意外と盲点なのですが、非常に重要な情報です。
「書道=正座」というイメージが強いため、「うちの子は足がしびれて集中できないかも」「今の生活様式に合わないかも」と躊躇する保護者もいます。
もし椅子とテーブルで指導しているなら、その写真を大きく使いましょう。「椅子スタイルなので、足への負担なくお稽古に集中できます」と一言添えるだけで、申し込みのハードルはぐっと下がります。
逆に、畳で正座をして礼儀作法から教えるなら、それを「強み」としてしっかりアピールしてください。「背筋を伸ばして自分と向き合う時間」として価値を感じる保護者層に響きます。
③ 道具の手入れや教室の細部を見せる
「神は細部に宿る」と言いますが、教室の清潔感は写真から伝わります。
整然と並べられた筆、きれいに拭かれた文鎮、季節の花が活けられた床の間など、教室のふとした一角の写真を載せてみてください。
道具を大切に扱っている教室は、生徒一人ひとりも大切に扱ってくれる教室です。言葉で説明しなくても、そうした写真が一枚あるだけで、保護者は直感的に「ここは良い教室だ」と感じ取ってくれます。
自作サイトの「落とし穴」に注意してください
ここまで「理想のホームページ」についてお話ししてきましたが、いざ自分で作るとなると、想像以上に大変な作業が待っています。
無料のテンプレートを使っても、以下のようなトラブルで挫折してしまう先生が後を絶ちません。
- スマホ表示の崩れ:パソコンで作って完璧だと思っても、スマホで見ると文字がズレていたり、写真が大きすぎたりする。
- 更新の滞り:「お知らせ」を更新したいだけなのに、ログインIDを忘れたり、操作方法を忘れたりして、数年前の情報で止まってしまう。
- セキュリティの不安:WordPressなどは定期的なメンテナンスをしないと、ウイルス感染のリスクがある。
- SEO(検索順位)が上がらない:頑張って作ったのに、「地域名+書道教室」で検索しても全く出てこない。
「集客のために」と始めたパソコン作業に追われて、肝心の指導カリキュラムを練る時間や、ご自身の作品制作の時間が削られてしまっては本末転倒ですよね。
私もかつて、Webデザインにこだわりすぎて、本来やるべき教室運営がおろそかになった経験があるので、その辛さは痛いほど分かります。
無理に作らない、という選択肢。「OK!iKO」の活用
もし、「独自のホームページを完璧に作る」ことが負担に感じるなら、まずは既存のプラットフォームを利用するのも賢い選択です。
私たち「OK!iKO(オケイコ)」は、習い事教室専用の検索・予約サイトです。ここには、教室運営に必要な機能が最初から「完成された状態」で用意されています。
1. 写真が映えるシンプルなデザイン
デザインセンスに悩む必要はありません。必要な情報(教室名、レッスン内容、写真、先生の紹介文)を入力するだけで、スマホでもPCでも美しく表示されるページが自動で出来上がります。
OK!iKOのデザインは、教室の写真を最大限に活かすシンプルで見やすい構成です。先生が撮影された教室の風景や作品の写真があれば、それだけで十分に魅力的なページになります。
2. 面倒な予約管理もスムーズに
ホームページを作っても、体験レッスンの申し込みメールへの返信や日程調整は大変です。
OK!iKOなら、Web予約システムが備わっているため、空いている時間を登録しておけば、保護者がスマホから簡単に予約できます。電話対応の手間が減り、指導に集中できる時間が増えます。
3. まずはここを「ホームページ代わり」に
独自ドメイン(.comなど)のサイトを持つのは、教室の規模が大きくなってからでも遅くありません。
まずは無料で掲載できる「OK!iKO」で教室のページを作り、そのURLを名刺やSNSに貼ってホームページ代わりにする。そうやって生徒さんが増えて経営に余裕ができたら、改めてオリジナルの公式サイトを作る。そんなステップアップもおすすめです。
先生の素晴らしい指導と、書道の楽しさを、待っている生徒さんに届けるために。
難しいWeb制作に時間を取られすぎず、まずは手軽な一歩から始めてみませんか?